ササノハウミウシ


ササノハウミウシ
Cephalopyge trematoides (Chun, 1889)
大瀬崎湾内 5m 2cm
15℃
2011年2月16日

別カット
トロロの上に絡まるようにしてクネクネ泳いでいた。
当初、魚の幼体と思い、ちょうどチョウチンアンコウのサンプルにいらしていた神奈川県立生命の星・地球博物館瀬能宏先生にお伺いし、ウミウシと判明。
その後、神奈川県立生命の星・地球博物館で無脊椎動物担当の佐藤武宏先生から詳しく教えていただいた。
現在、ササノハウミウシとされている種ですが、もともとはインドネシア、地中海、日本近海、アラビア海などでそれぞれ別の種として記載され、その後にすべてササノハウミウシにまとめられているものです。
しかし、記録が乏しいながらも、いくつかのカラーバリエーション(乳白色の斑点があるものなども確認されているようです)や形態の変異などがあることがわかってきているようですので、今後の研究の進展次第によってはまたいくつかの種類に細分される可能性もあると思います。
コノハウミウシ科は触角も単純な形態のものが一対、足も鰓も退化していることが特徴です。
大洋浮遊性で世界的に広く分布して浮遊生活を送ることまではわかっているのですが、それ以上のことについてはほとんど調べられていないようです。
この科には、
コノハウミウシ Phylliroe bucephalum Peron & Lesuer, 1810
(和名なし) Phylliroe atlantica Bergh, 1871
ササノハウミウシ Cephalopyge trematoides (Chun, 1889)
の3種が知られていて、コノハウミウシ、ササノハウミウシは世界中の暖海域に、P. atlantica は西太西洋に分布することがわかっています。